グッバイみすたー⑫

前回の続きです。四回生五月、新体制も軌道に乗ってきました。

 

 さてこの時期、待ちわびていたニュースがようやくやってきます。学童訪問、復活です。

といってもこの段階では吹田市内の正式な学童への訪問は叶わず、小学校外に開かれていた民間の学童からオファーがあったということです。丁度そこで偉大なるOGの方が働かれており、その縁もあって練習も兼ねて訪問にこないか、ということです。やはり持つべきものは偉大なるOBOGとのコネです。

 というわけで学童訪問の開催が決定、当然私も参加…と行きたいところですが私は早々に不参加表明をしています。なんと教育実習と被っていたのです。こればかりは仕方ない。

 さてその学童ですが1~4回生バランス良く訪問が出来た、という話を聞いています。それよりも驚きたまげたことは、その訪問に丁度暇だったOB(私の5個上ということもあり当時のメンバーの誰とも現役被っていません、ただちょくちょく遊びに来てたので我々世代とはそこそこ仲良しでした)が参戦したことです。そこの詳細はよくわかりませんが4年間のあかとんぼ生活の経験を存分に発揮し現役メンバーを導き、さらに社会人の財力でおいしいご飯をごちそうしてくださったとのこと。とんでもない偉人、後世にまで語り継がれるべきです(ごますり)。

また、8月には2回学童訪問をすることができました。一回目は先述した民間学童、そしてもう一つは小学校内にある某学童からのオファーでした。私や後輩たちがアルバイトしているところですね。その頃の某学童は人手不足もあり全アルバイトの約半分があかとんぼ組、言ってしまえば傀儡お得意様なわけです。その縁もあって訪問再開にこぎつけたわけです。

私はもちろん両方参加、プログラムも担当し3年ぶりの対面練習会を堪能しました。アルバイトをしている某学童での訪問ではいつも見ている子どもたちがどんな反応をするかちょっとビビっていましたが、想像を遥かに超える大歓迎。子どもたちも、そして初めて学童訪問を体験しているメンバーも楽しそうなのを眺めながら、ああ本当にこれまでやってきてよかった、と少し感傷的になっていました。

 そしてついにその時が来ます。8月半ば、学童委員LINE(学童委員としての仕事はもうやっていませんでしたが、グループには残り有事の際には助言をしていました)に入ってきたニュースは、今年秋から対面での学童訪問が本格的に復活する、というものでした。ということで訪問の日程を決めたり、それに伴う学童当番を決めたりと学童委員は大忙し。あまりにも大変そうならお手伝いしようかな、などと考えていましたが結局は現役委員が完璧な仕事をしてくれたため(当時のキャップがそれはもう本当に優秀でした)動くことなく終わりました。

 さて復活した水曜定例学童訪問に臨むにあたり、私は二つのことを心に決めていました。一つは全学童に赴くこと。当たり前っちゃ当たり前のことではあるのですが、学童の子どもたちは3年間の間、あかとんぼの訪問を体験していないわけです。1~3年生はあかとんぼのことを「クリスマスの時期にプレゼントを贈ってくれる人たち」ぐらいの認識しかできていないでしょう。4年生にとっては「1年生のときに学童にきて遊んでくれたお兄さんお姉さん」という思い出があります。私は1年次の春秋訪問を通して全ての学童を一通り経験していました。つまり行ったことのある学童には「あかとんぼのみすたーのことを覚えている4年生」がいる可能性がある、というわけです。また、クリスマスプレゼントを贈った際、いくつかの学童からお礼の手紙が届いていたこともありました。中にはあかとんぼの訪問を経験していないにも関わらず(2020年からあかとんぼ管轄になった学童で、コロナが被ったため訪問経験がないということです。もしかしたら以前どこかで書いているかもしれません)お礼をしてくれた恩がある学童もあります。そういう学童には是非訪問して直接お礼が言いたかったのです。とまあ色々考えてみると、復活した学童にすべて訪問する、ということは自明の理であるわけです(別に義務感を持っていたわけではないです)。

 そしてもう一つは「自分が軸にならなければならない」ということです。3年間空いてしまったがゆえに、今までの学童訪問を知っているのは我々4回生だけ。後輩達を引っ張っていく必要があります。毎回参加をする以上、あかとんぼの屋台骨となって皆を導く責任がある、と考えたわけです。しかし私も学童訪問は1回生の時のみの経験。いくら回を稼いでいたとはいえ先輩方に守られながらやっていた事実に変わりはありません。果たして自分に偉大な先輩方のような真似ができるのだろうか‥‥?という不安は少なからずありました。

さて復活した学童訪問ですが、今まで経験してきたものとは少なからず違う部分もありました。特に大きかったのは学童当番が各学年に居たこと。例年は春が2・3回生、秋が1・2回生という形態をとっていましたが、この22秋学童では原則各学年から一人ずつ、合計4人で当番を回す、という形をとっていました。動かし方は指南役となる4回生の性質によってまちまちで、指示だけ出してほぼすべてを下級生にやらせる者もいれば、自分がやっている姿を下級生に見せて、大枠を理解してもらおうという者もいました。私は後者でした。

また、訪問先での行動も結構様変わりしました。やはり全体で集まって何かしらの活動をする、という形態がとれない学童が多く、あかとんぼメンバーが各教室へわかれ、そこでプログラムを行う、という形態がとられました。このことによって多くのメンバーが紙芝居、ゲームを経験することができるという利点がありましたが、致命的な欠陥として「人形劇が全くできない」というものがありました。事実ほぼ毎週学童訪問があったのにも関わらず、人形劇を持っていく機会が2か月弱空く、ということもありました。あとはおやつの時間に話す、ということができなかったり、子どもに触れることが今まで以上に制限されたり…と色々な制約がありました。

なお人形劇が中々できないことについて、文化の継承ができないのではないかという焦りが少なからずありましたが、そこはなんと公演によって解決していました。今までの公演は子どもたちと関わるのがメイン、プログラムと言えば紙芝居やゲームがメインだったのですが、商業施設や関大のイベントに呼ばれた際は、一種のパフォーマンス集団として大々的に人形劇の公演を行っていました。

私はそのような公演の実施については割と懐疑的であり(あかとんぼはあくまで子どもたちのためのサークルであり公演なのだから、活動範囲は学童や児童館ぐらいにとどめるべきである、と考えていました。また我々はプログラムのプロ集団でもありませんから、プログラムオンリーの公演をするのは烏滸がましい、という姿勢をとっていました)実際あまり参加していませんでしたが、それらでプログラムの経験を積んでいく姿を見ると、案外こういうのも悪くないのかなあ…と思うなどしていました。まあそれで対学童が疎かになってしまってはいけないのでバランスが大事なのだろうな、ということです。あと地域でのガチプログラムオンリー公演は、その開催場所的にOBOGが来やすい、ということで実際に何人かお越しになって現役メンバーとの交流を深める、ということができたのも良ポイントです。これについては事前に活動予告をSNSにアップしており、それを見て駆けつけてくれた、という形のようです。やはり持つべきものは偉大なOBOGです(今日そればっかだな)

 

と言うわけで今回はここまで、次回は4年秋。学童&チルコン。

なお現在の予定ではあと3回で完結です、