音響反省会2022

祝!チルドレンコンサート2022全活動終了!!

(終わったの3か月前だが?)

 

 

例の如く私は音響として劇中音楽を担当させていただきましたので今回はその紹介になります

去年は半分以上既存楽曲のアレンジでしたが今回はダンス以外100%自作になります。

 

 

gentmr9517tktms.hatenablog.jp

作成環境とかは去年の記事をみてくれよな

なんか来年はスタジオワン使いたいとか書いてたけど今年も全部Musescoreです。やっぱり楽譜でみれるっていうのが僕にはあっているのだ

 

 

なお去年から作曲上の向上点として

・音の大きさを割と自在に使えるようになった

・シンフォニック音源を採用することで音のリアリティが増した

というアプデがなされました。特に音の強弱については一気に曲のクオリティが増した感じがしてとても気持ち良かったです。

 

以下楽曲紹介と雑感になります。再生ボタン押すと音源が聞ける設定になっているはずです。

 

第一場面 かえるクラシック

一番最初に動物たちがわちゃわちゃしているところです。正直いつものように例の曲(去年の第一場面)を使ってもよかったのですがまあせっかくだしな…という思想の基新装しました。

曲自体は後述する「かえるロック」から主旋律を抜き、弦楽仕様に仕立てあげたものになります。これは元々「かえるロック」を作品中使わない算段で動いていたため、折角作ったものを完全ボツとするのは勿体ないという考えによるものです。

結果としてどこにでもありそうなゆったりとした曲になりました。物語のイントロとしてはそれなりにいいものが作れたのではないかと思います。

ダンス1 ジャンボリミッキー2022

2年連続となるダンス曲です。普通に考えればそのまま同じものを流用すればいいものの、去年の記事に書いたように僕自身編曲に満足してなかったのでいくらか改造を加えることにしました。そんなことしてるから君仕事終わらないんだよ?

元々は1から作り直そうということで去年のブラス版とは全く違う、シンセサイザーを多用したエレキポップ版ジャンボリを作ろうとしていました。しかしいくら弄ってもいい感じにできなかったので最終的には諦めてしまいました。シンセサイザーって……難しいな……

というわけで去年のやつを弄る方向で作業を進め完成したのが今年のジャンボリになります。あまり去年のと変わらないようにもみえますが細部がかなりブラッシュアップできたので個人的には満足しています。

第二場面など おたまじゃくしのテーマ

今作の主人公、3匹のおたまじゃくしのテーマです。「小さなおたまじゃくし」と題があるように、小さくて可愛らしいイメージとなるように作りました。となるとやはり使うのは…グロッケン&チェレスタですね。おたまじゃくしにはぴったりの楽器だと思います。キラキラしてるのが水の生き物感あっていいですね。

この曲は後述する洗濯屋さんのテーマと1セットになっています。メロディこそ全く違いますが曲全体のコードは全く同じものを使っています。何故こんなことをしたのか……?後でわかります。

 

第二場面 悲しみのおたまじゃくし

おたまじゃくしが動物たちからボコボコに言われ絶望している時の曲です。楽器はおたまじゃくしのテーマと同じとして、どうやって絶望感ある音楽を錬成するか…ということで結構悩みました。とりあえず「僕にとっての絶望ってなんだろう」みたいなことを考えながら日本シリーズをテレビ越しに眺めていたところ

 

そこには絶望がありました。

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村上宗隆がめちゃくちゃに打っててこんなのに勝てるわけないじゃん…と絶望したのでこいつの応援歌を参考にすることにしました。多分僕がヤクルトファンだったら吉田正尚の応援歌を参考に作っているような気がしますね。

ということがあってできたのがこの曲です。コード進行は完全に村上の応援歌のそれを流用しています。何なら出だしのメロディーも一緒です。絶望感がひしひしと感じられるいい曲になったと思います。

 

第二場面 ばかにするときの曲

(なんか音源おかしいけど直すの面倒なので許してください)

動物たちがおたまじゃくしを馬鹿にする際の曲です。ポップな曲がいいかなあ…と思いつつも曲のイメージが湧いてこなかった時、後輩にポップなメロディーで何かいいイメージがないか尋ねたことがありました。その時提示されたのが


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これでした。これが僕のお気に召したのでこれをベースにして曲を作ることにしました。やはり第三者からの案出しって重要ですね。

というわけでギャグシーン(というわけでもないですけど)の曲として仕上げることができました。このシーン案外長いので曲を伸ばすのに苦労しました。後半部分が若干蛇足的になっているのはそのせいですね。

 

ダンス2 パプリカ2022

3年ぶりに復活したパプリカです。実は僕が一回生の時のパプリカも私の楽曲です。音響の先輩方に無理を言って入れ込ませてもらいました。我ながらすごいことをしていたなと思います。というわけで本来であればそのデータをそのまま持ってくればいいわけなのですが…残念なことにデータがとんでいたので一から作り直す羽目になりました。

パプリカの錬成は結構苦労しました。一回編曲歴があるので音取り自体は余裕でできたのですがとにかくぱっとしない。魚たちが踊る時の曲、というコンセプトがあったので水中のきらめき感がでるといいな…と思ってシンセサイザーベースで一度作って試してみた結果これが不評。同期の皆様に「これで踊るのを見せられる子どもたちの気持ちにもなってほしい」などとボコボコにされてしまいました。そういわれても仕方のないしっとり感だったので甘んじて受け入れもう一回作り直すことにしました。

というわけで作られたのがこれになります。…クソみたいなクオリティですね。どう考えても三年前の方がよかったような気がします。特にAメロがクソ。面白味がなさすぎる。そっから先は音を増やすことでまともになりましたが……ダンス曲じゃないよなあ、歌唱曲になってしまったよなあ…これ。

 

第三場面 洗濯屋のテーマ

熊の洗濯屋さんとリスのアシスタントさんのテーマです。この二人については脚本段階でキャラがまとまりきっていたので曲をイメージするのも簡単でした。のっしりと安定感があるクマのイメージはトロンボーン、ちょこまかと動けるリスのイメージはシロフォン、ということで楽器を選定し、その二つがうまい具合にかみ合うようにメロディと裏メロを作る…という作業がとても楽しかったです。

これを使う場面はかなり多く、同じような場面である3~5場面は全部これです。全部同じだとつまらないので各場面において曲調と裏でカチャカチャしている打楽器を変えています(今回は載せてないぞ)。打楽器についてはリズムも少し変えているので比べてみると面白いかもしれません。

今回作ったBGMの中では一番気に入っています。

 

第六場面一曲目「おたまじゃくし?のテーマ」

第六場面、おたまじゃくし3人が完全にカエルになって登場するシーンです。ここに関しては音楽を通しておたまじゃくしの変化を表現したい、と考えていました。そこでどうするか悩んだ結果使った用法が「メロディそのままで楽器を足すことでおたまじゃくしのか弱さを消す」というものでした。オタマジャクシの音、という感じで設定していた「グロッケン&チェレスタ」を「トロンボーンチェレスタ」に変えることで、オタマジャクシの面影は残しつつ成長した感を出すことにしたのでした。なんでトロンボーンにしたんだろう…?そこだけよくわかりません。

 

第六場面二曲目「かえるのテーマ」

カエルになったオタマジャクシたちがさらに洋服屋さんたちの服を着て完全体になった際の曲です。基本メロディは先述の「トロンボーンチェレスタ」からさらに成長し凛々しくなったことを表現するトランペットに任せました。さらに洋服屋さん特製の服、という要素を音楽中で表現するために途中から裏メロとして洋服屋のテーマをねじ込みました。オタマジャクシのテーマと洋服屋さんのテーマのコード進行が全く同じなのはこのためだったのですね。かなり綺麗な仕上がりになったので満足しています。

 

第七場面一曲目「どこまでもヒートアップ」

動物たちが各自暴走をはじめ収拾がつかなくなる時の曲です。とにかくカオスな曲にしたい!ということでメロディをとくに設けずテンポとコードが上がっていく、という手法をとりました。その結果クソほどシンプルなBGMが完成しました。

この曲に関しては劇の進行と曲の終わりが一致するように作る、という作業がまあ大変でした。僕は基本的に劇の進行と関係ない長さで勝手に曲を作り劇の中で適当に切る、という手法をとってきたのですがこれに関しては最後にパッパラパッパッパパパパパーという締め方をする以上劇の長さと完全にリンクさせる必要があったのでした。となると家での作業では難しい、ということでチルコン練の際劇に合わせて流しては微調整を繰り返して、という作業を永遠にやってました。そういう意味ではシンプルながらもカロリーの高い曲であったと思います。

 

 

第七場面二曲目「かえるロック」

カオスになった動物たちのパーティにカエル達が参戦、ヒーローの如く場を治めるシーンです。この曲については元々最後の歌をどうしようか、となっていたときの案の一つとして作っていた曲になります。最終的に合唱の方になったので没となり、日の目をみないまま終わりかけていたのをここで救済した、という感じになります。

この曲、メロディなどはかなり気に入っているのですがここで問題になってくるのが僕のロックに対する知識の足りなさです。そもそも僕は常日頃からロックを聞くような人間ではありませんし、ドラムは叩けてもギター&ベースに関しては知識がありません。そのためこいつらが普段どんなことをしているか、どんな動きをしているのかがわからなかったのです。その結果素材こそそれなりながらクソみたいなクオリティの曲ができあがりました。これに関してはロックをもうちょっと勉強しておけばよかったとめちゃくちゃ後悔しています。そしていつか歌をつけた完全なロック曲として作り直すつもりでもいます。いつになるかは知りませんが…。

 

・エンディングテーマ「かえるの歌を歌おう」

エンディングです。僕はこのチルコンを音響最後の仕事とするにあたり(結果最後の仕事にはならなかったのだが)どうしても歌をみんなに歌わせたかったため委員の皆様に綿密な圧力根回しを行うことで最後のダンスを歌に変えることに成功しました。やはり持つべきものは権力だな!!

さて、チルコンが始まる直前ぐらいに劇団四季の「オペラ座の怪人」を見たり、某ショーユニットの話を読んだりした結果、あのあたりの時期の僕はミュージカルに対する憧れが凄くありました。というわけでその夢をかなえるために作ったのがこの曲ということになります。本当は歌に合わせて動物たちが軽く出てきたり、最終的に大団円になるといいなあ…みたいなことを考えていましたが、そこはチルコン本編の進捗がどうもまずそうなこと、流石に委員の皆様にそこまでを要求するのも可哀想だったため断念しました。流石に他人の仕事を増やすのはよくないですからね。

 

ここからは曲の解説になります。まずAメロですが当然かえるの合唱をベースにしています。ここはカエル達が歌っている設定です。その後のオリジナルメロディは動物たちがカエルの歌を評価する、という感じになります。

Bメロは動物たちが歌っている設定です。ここのメロディに関しては某ゲームの「ワンスアポンアドリーム」の影響を受けています。「君が思うより魔法は傍で待ちくたびれてる」のとこです。聞き比べてみると結構似てると思います。

そしてサビです。サビのメロディはチルコンが始まる前、夏休みの時点ですでに頭の中にあったものになります。このサビに関しては同じく某ゲームの「Glory Steady Go!」の、特にラスサビに影響を受けています。その頃の僕は某ゲームの沼に浸かり始めた頃だったのでこんなことになっています。いい曲だもん仕方ないね。

僕はこのサビのラスト、「だからいっしょに」のところの裏メロ三連符がほんっっっとーーーに好きです。癖です。このカチカチしている感じがたまらないんだよな。

歌詞あり部分はここまで、ここからは間奏&ラスサビ部分です。これに関しては作品にエンドロール設ける際歌詞あり部分だけだと尺が足りないと気づきチルコン終了後に急遽付け足したものになります。僕はラスサビにあるある急な転調のアンチなので曲調変えたくはありませんでした。ただそれはそれとして締めをホ長調にすると綺麗であることにも気づいていました。どうするか悩んだ挙句僕がとった手法が「間奏で段階的に転調を重ねることで急な転調ぽさをなくす」ということでした。まあまあいい感じにはなりましたが間奏が単調になってしまったのでそこだけ反省点です。ただ最後をホ長調で締めようとした僕の考えは間違いなかったと思います。

全体のメロディはそんな感じ、最後に歌詞ですが…ひどい難産でした。世の作詩作曲者の皆様は一体どうやって歌詞を錬成しているんだ…?と困惑するほどメロディに合致して、さらに劇全体を表現できる歌詞が思いつきませんでした。結果として完成した歌詞はまあまあこじつけたものになります。これに関しては歌詞を先に作ることで一定の解決はとれたのかもしれませんが…まあ仕方ないかな。

一応歌詞を貼っておきます。

 

かえるのうたがきこえてくるよ「キラリ」水の中から「スーイスイ」透き通る音

かえるのうたがきこえてくるよ「ぴょんぴょん」足音と共に「ぺったんたん」軽やかな音

森の中広がる素敵なメロディ 僕たちも一緒に歌おう!

響け声を合わせて届けお星様まで 小さな歌声も重なれば力になる

好きな歌を歌えばみんな笑顔になれる だから一緒に歌おう僕らの歌を

 

…自作の歌を「好きな歌を歌えばみんな笑顔になれる」とか言わしてるの今考えるとヤバいですね。あと全編とおして歌う歌うばっかりじゃねえか!もうちょっと考える必要がありましたね。あと第三者による意見をもっと集めた方がよかったかもしれません。まああの時期僕含め全員満身創痍だったので難しかったのはあるのですが…。

 

僕の算段では本番でみんなに歌ってもらうつもりでした。ただ設備やら練習やらの関係上どうにもならないことが発覚したため後日有志による録音を行いました。ここに関しては音響環境整備自信ニキがいたのでスムーズに進みました。ただどうしても歌うのが全員素人ということ、さらに僕も歌唱法に関する知識がなかったということで想像していた出来まで持っていくことはできませんでした。まあこれに関しては我々合唱部でもアカペラサークルでもないので仕方ありません。ただもっと声を集めたかったな…というところはありますね。

 

以上、初めての作詞作曲楽曲「かえるの歌を歌おう」の紹介でした。他の曲よりもはるかに時間をかけて作った曲でありますのでまあ相当な思い入れがあります。特に歌詞をつけて歌ってもらう、という活動は僕にとっても非常にいい刺激になりました。いつかボーカロイド買ってときはこの曲再編集して完全版を作ってみたいなと思います。イメージはリン&レンです。

 

というわけで長々と作った曲についての説明を綴ってきました。昨年のものと違ってダンス以外すべての曲が完全オリジナルなので大変でしたが、それにより思い入れの強い曲ばっかりになっています。作成技術も昨年度より相当な進歩を見せることができたため僕は非常に満足しています。少なくとも音響隊においてチルコンに未練はないな!

 

というわけで今回は以上です。