音響反省会

祝!チルドレンコンサート映像Youtube投稿完了!

(まあ投稿したのは僕ではないし投稿日時は昨年末なんですが…)

 

というわけでチルコンの話をします

諸般の事情によりYoutube単体で検索しても出てこないようになっていますので映像を見たい方はあかとんぼのHP(最近熱心なクリエイターの手によって魔改造されたぞ)から飛んでください。

クソ丁度いいタイミングで公式広報が案内していますね

やっぱり広報は偉大だった

 

今回のチルドレンコンサートは昨年度分が中止になった、ということで去年するはずだった現2回生と1回生の両方で行いました。合計20人ちょいぐらいいるため全員に役を与える劇を作るのは困難ということで、今回は例の如く演劇をするグループとダンスに専念するグループの二つが用意されそれぞれ練習を行っていました。さらに今回はまだ子どもたちを招待できないということで動画を撮影し編集、投稿&郵送するということで完成納期が例年より1か月早い(練習はじめはそんなに変わらない)というトンデモスケジュールで行われました。

 

さて、今回私はそのチルコンの音楽を司る音響担当として参加しました。つまりBGM考える人、ということですね。他の裏方である大道具や衣装係と違い完全に個人作業であるため日程調整などすることもなくひっじょーーーーに楽な思いをしました。ただ音響に関する全責任が集中するのでそれなりにプレッシャーもかかっていました。

BGMを用意するにあたっては二種類ほどの選択肢がありました。一つはフリー音源からBGMを引っ張ってくること。もう一つは自分で打ち込んで作ること。一般人は皆前者を選択すると思うのですが私はその時期割と暇だった(代表業がそこまでなかっただけであり課題などはわんさかとあったことに注意すべきである)上に創作意欲があったので後者を採用しました。

ただ流石に30分弱もある演劇を全編オリジナルBGMでまかなおうとするのは無理というものなのでいくつかの場面は既存の楽曲を使うこととしました。ただ既存の楽曲は使われている楽器がそれぞれ違っていて劇の雰囲気にそぐわないと感じたので結局すべての曲を耳コピして打ち込むことにしました。

打ち込みアプリはMuse Scoreを使用しました。本来はMuse Scoreという楽譜生成アプリで楽譜作ってそれをMidi化してStadio One という音楽作成アプリで微調整する、という形態をとろうとしたんですが諸般の事情によりStadio One は使わないことになりました。無料アプリとはいえティンパニ音源入ってないのはどうかと思うぞStadio One。

 

音響の仕事としてはBGMを用意することのほかに効果音を流すことと本番実際に音楽を流すこと、の二つが重要な仕事としてありました。今回はリハーサルを当日の行うというトンデモスケジュールだった&今までのホール練にほぼ参加できなかった、ということでぶっつけ本番になり、その上機材トラブルが起こり大惨事になりましたがまあどうにかなりました。来年以降は絶対にリハーサルを当日に考えてはいけません(戒め)。

 

というわけでここからは実際に使用したBGMたちの紹介になります。作成した楽曲をそのまま載せているので映像ではカットされている音源も聴くことができてお得ですね(?????)

 

第一場面:オリジナル楽曲『森の輪』

い つ も の

これ使うのもう三度目ですよ先輩。ということで高校三年の仮想劇の際に作成した楽曲をそのままもってきました。ちなみにこの曲は一年の夏合宿の際になぜか披露した経験があるので覚えている賢明な兄貴姉貴もいるかもしれません。

単純で軽快なワルツ、ということで劇の世界観にぴったりだと思います。僕自身相当気に入っているのでこれからも隙あらば使いまわすんじゃないかね。著作権は僕に帰属するのでやりたい放題ですし。

 

第二場面:アリー・リューべル『Zip-a-Dee-Doo-Dah』

 

ネズミ達が出てくる場面は最後にジャンボリが待っていることもありディズニー楽曲を採用することにしました。著作権的にどう考えてもまずいと思うのでいつのまにか動画が消されてたら「そういうことなんだな」と思ってください(ねずみフレンズ等がまだ生きている以上余裕だとは思う)ちなみに「Zip-a-Dee-Doo-Dah」とは「映画の場面における輝かしく、清々しい気分を表すのに適した表現」であるらしいです(Wikipedia調べ)。どういうことなのかはよくわかりませんが大して意味はなさそうです。

第二場面はネズミ達の可愛らしさと謎の鳴き声という不安要素から成り立つ場面です。というわけで明るすぎる楽曲でもだめだしおどろおどろしすぎる楽曲でもいけません。どうにかその中間策がないか、と考えたときに思いついたのがジッパ・ディー・ドゥー・ダーでした。曲自体は割と明るいんですがこの曲が用いられている映画「南部の唄」とTDLのアトラクション「スプラッシュ・マウンテン」がなかなか怖いのでこれでいいかなと。本来はもう少しテンポ速めに流すつもりだったのですが、楽曲考えている間にネズミ達が謎の覚醒を遂げアホになっていたのでそれに合わせる形で遅めにしました。低温の音と音の間を広くとることで脱力感というかアホさが出てくる…ような気がします。

 

第三場面 オリジナル楽曲 

第三場面は直前まで「どうぶつの森」の楽曲を使う気でいたのですがどうもしっくりこなかったので本番当日の午前中の時間を使って新規曲を作ることにしました。ゆったりめのワルツ曲ということで頭に浮かんだメロディをそのまま採用したのがこの曲になります。その当時は特に典拠としていた曲はなかったのですが後の研究により曲の流れが2013年吹奏楽コンクール課題曲Ⅰ「勇者のマズルカ」の一節にだいぶ似ているというのが発覚したのでそれを典拠としようと思います。

今回新規で作ったオリジナル楽曲の中では一番気に入ってます。ただこれをバックに大泣きする構図はどうかと思ったのでもう少し暗めな曲を用意したほうがよかったかもしれません。

 

第四場面前半 ベリー&キングスベイ「Baroque Hoedown」

お馴染みディズニーランド、エレクトリカルパレードのメインテーマ曲です。この曲はディズニー映画等で使われた、というわけではなく元々60年代のシンセサイザー用の曲として作られたものをD社が採用してパレードの顔になった、ということらしいです。

楽曲は吹奏楽アレンジ版のものの影響を色強く受けています。特に低音となるマリンバの動きやタンバリンの利用などは吹奏楽版からそのまま引っ張ってきたといっても過言ではないでしょう。第二場面と同じくネズミ達のアホさを醸し出すために曲は遅めにしてあります。

 

ダンス1 東京ディズニーランド キッズダンスプログラム「ジャンボリミッキー!」

 

ダンスに使う曲はダンス隊が決めるのでなぜこれになったのかはわかりません。ネズミダンサーズが踊る(ことになっている)のでD社の曲を採用した…という解釈をとることにします。

はっきりいってこの曲は今回一番の失敗作であり、ここだけは原曲をそのまま使えばよかったと後悔しています。この曲は掛け声、ボイスが非常に重要な役割を果たしています。しかし現行の技術ではボイスを曲の中に組みこむことができなかったため、結果的にボイスなしで踊ることとなってしまい、なにやってんのかよくわからない状況を生んでしまいました。もう少し納期が遅ければボイスを録音し曲に合わせてぶち込むことで良質なダンスになったのではと思っています。

ただ打ち込み自体はそれなりに満足しています。サンバの曲なのでもう少し打楽器に躍動感が欲しかったのですが打ち込みなのでどうしようもありません(元々打楽器は実際に演奏したものを録音しようかと思ってたけど諸般の事情によりあえなく没になったた)。

 

第四場面後半 「ファンタズミック!」 

 

 

こちらはディズニーシー等世界各地のディズニーランドで開催される人気のショーからの選曲です。吹奏楽界隈からしたら「ディズニーランド50周年セレブレーション」のメインテーマとしての方が著名かもしれません。セレブレーションは僕の一番好きな(少なくとも演奏単体では)ディズニー吹奏楽曲なので当然色強く影響を受けています。

この曲は自分がいうのもなんですが上手に打ち込めたと思っています。基がいいのでしょうね、実際に流して一番壮大感があります。惜しむらくは時間の都合上作成した7割ぐらいをカットしなければならなかったことです。正直この曲は作成に一番時間をかけた(大概5時間ちょいぐらいかかった)ので非常に残念に思いますが使う場所を考えると当然だと思います。もうちょっと演劇原作を研究してからどれくらい作るか決めろということです。来年度以降は気を付けましょう。

 

第五場面 とびだせどうぶつの森より「AM9:00&PM9:00」

 

人間たちがメインで出てくる3・5場面は時間も少ないし手抜きでいいかと同じ楽曲を使おうとしていました。最終的に第三場面はオリジナル楽曲になったので、この曲は第五場面のみで使うことにしました。

一作前のどう森よりお気に入りのBGMを二つミックスしました。とび森で一番好きなのはPM8:00なのですがそれはあまりにもとび森メインテーマの色が強すぎたので使えませんでした。二つの音楽を混ぜる、という試みは初めての試みだったのでどうなるかと思いましたがよく考えたらとび森の、それも時間別BGMは大半が同じテーマを様々なバリエーションにアレンジした変奏曲のようになっていたのでごちゃまぜにしてもそう変なことにはならず助かりました。適当に作っても形になったのはよかったのですが他の曲と比べるとどうも雑なように聞こえるのでもう少しブラッシュアップすべきだったような気がします。

 

第六場面前半 オリジナル楽曲

 

製作時間合計20分という凄まじいスピードで作った曲です。ほぼ一つのメロディに音を足してだんだん壮大にしていこうという魂胆で作ったのでほぼほぼ作業がコピペだったのが早くなった原因です。

しばらくは全く同じメロディだけで使っていたのですが物足りなさを覚えたこと、あと単純に演劇に対し時間が余りそうなので中間部分に新しいメロディを追加しました。これを業界用語で「蛇足」と言います。それまでのメロディと違い短い音が続くのでどうもまとまりが悪くなってしまいました。もう少し音を減らしてみるとよかったように思います。

 

ダンス2 ボブディラン/森七菜 「スマイル」

 

2曲目はスマイルです。何故この曲なのかはよくわかりません。場面的にスマイルがふさわしい、というわけでもないので単に踊りたかった&踊りやすかったからじゃないですかね(適当)

この曲は原曲であるボブディラン版とそのリメイクである森七菜版があり、調をはじめテンポや使用楽器に大きな差がみられています。僕はどちらかというと原作版であるボブディラン版をベースにしました。ただ若干ボブディラン版は踊りにくいように思えたので踊りやすいように速度調整、打楽器の活発化を施しました。いい感じにアレンジしてる感が出ていていいですね(自画自賛)。あとダンスの際の地響きで木の実が落ちる、という設定だったので他の曲よりB.D、大太鼓の音量を高めに設定しました。思ったよりダンス隊の足音が大きかったので不要だったと思います。

 

第六場面後半 しらすオリジナル楽曲

 

この曲は私の弟であるしらす氏が一昨年作成した曲をアレンジしたものになっています。彼の曲はほかにも幾つかあり、大概ガラクタのようなものなのですが(暴言)この曲はわかりやすくていいと思います。

何かをゲットする、ということでファンファーレ的楽曲がいいと考えたのですが第四場面と被るのでなにか差別化できないかと思った結果6/8拍子のこれが丁度いいということで採用しました。割りと納期ギリギリの採用だったのでアレンジがチープになってしまいましたが劇のことを考えるとこんなもんでいいでしょう。というかファンタズミックが重すぎるのよ…。

 

 

第七場面冒頭 『星のカービィ 夢の泉の物語』より「THE FOUNTAIN OF DREAM

 

この場面どうしようかな、と悩んでた時に天啓的にメロディが頭をよぎったので採用。夢の泉デデデ大王を倒してからナイトメアが召喚されるまでの音楽になります。ラストシーン前の安息とひとかけらの不安、ということを考えるとバッチリだったと思います。

原曲がファミコン音源とGBA音源しかない(はず)なのでどの楽器を利用してリメイクしようかと悩みましたが結局木管に落ち着きました。劇の風潮からし木管アンサンブルを使うのが丁度良かったのです。全編長調ながらも一概の薄暗さを匂わせるような終わり方が傷が治るもここが異世界とわかり困惑する人間たちの場面を表していて素晴らしいと思います。

 

第七場面中盤 オリジナル楽曲

 

後述するラストシーンの音楽を曲調変えて雑移植した形になります。そのため手短に。本来であればここも違う楽曲を用意したかったのですが納期が近いわ何も思いつかないわ移植してもしっくりくるわで結局妥協しました。まあなんか絶賛されてたらしいのでこれでよかったように思います。

 

第七場面後半 高橋真梨子「For you…」

 

音響担当に決まった時点でこの場面はこの曲、と決めていました。僕は第七場面の脚本の肉付けしていたため、この曲を使うために脚本を書いたといったほうがいいかもしれません。

全編サックスをメロディラインとする吹奏楽アレンジとしましたが既存のアレンジがなかったため原曲をそのまま耳コピするという形になりまあ大変でした。この曲割と音の数が少ないのでどのようにすればスカスカ感がなくなるか割と悩みました。さらに「でも、僕は羽が欲しい!」という場面に合わせてサビを流せるようかなり奮闘しました。だいぶ遅めなのはそのせいですね。練習の際初めて完璧に決まった際はそのあまりの素晴らしさに涙を流しそうになりました。我ながらこの選曲は200点だと思います。

実際の映像で途中音がおかしくなっていますが、これはリハーサルと本番の曲調を変えたことに起因しています。録画上の問題で一部リハーサルの音源を使うことになっていたのですが曲調変えたせいで整合性が取れなくなってしまったのです。リハーサルと本番は同じことを忠実に行うようにしましょう。

 

第七場面ラスト オリジナル楽曲

魔法からのファンファーレからのエンドロールです。魔法は中学校のアンサンブルコンテストで先輩が演奏してた曲(まるで名前を思い出せないので誰か教えてほしい)ファンファーレは「スーパーマリオ64」の地下&二階の鍵獲得、「スーパーマリオギャラクシー」のスター獲得音楽を参考にしています。エンドロールの音楽は私がもともと考案していたマーチを重厚かつ壮大なものに魔改造したものになります。

主に上層部からやたら高評価をいただいておりありがたい限りです。エヴァンゲリオンのラストシーンのような拍手攻勢(当方エヴァ未履修のためその真偽は不明)からの大団円という場面にバッチリ合致したのが良かったですね。一つ不満点をあげるとすると魔法の掛け声「ビビデバビデブー」に対して魔法の音が綺麗すぎたことです。今回の魔法は「不思議感」より「キラキラ」をイメージして作ったので「ビビデバビデブー」に対応できませんでした。もう少し怪しい感じにすればよかったと思います(そもそもあの場面でビビデバビデブーもどうかと思うが)

 

ダンス3 V6「WAになって踊ろう」

 

ダンス3曲の中では出来のいい方だと思っています。強いて言うなら低音もうちょっとどうにか出来ただろとは思います(特にAメロ)あと折角最後の曲なんだから一番最後もう少しわかりやすく切ってもよかったなとも。

とにかく踊りやすいようメロディ以外をぶち込みすぎないよう気を付けました。その結果若干チープになるのはわかっていましたがその方が劇の雰囲気にも合致しているのでよいということにします。

 

以上15曲です。結構作ってましたね…

チルコン自体は来年もある(はず)なので来年も音響として参戦するんだろうなあと思います。全体的にもう少し質を上げたいですね(というか来年はStadio One で作りたい)。修業が必要です。

 

というわけで今回はこの辺で

じゃあの