おひとり様ドライブ ~奈良 薬師寺~

先日、ひとりで奈良方面にドライブに行ってきました。今回はその話です。

 

せっかくのGWだから何処かドライブでも行こうか、と思い立ちました。車を持ってきたのはいいものの通勤で使えない以上乗る機会も限られてくることから、維持の観点からも意識的に車を使う必要性があるわけです。特に誰かを誘うあてがある訳でもないので行先も自由に選べるということでさてどこにするか…と関西各地をチェックしていましたところ、奈良は薬師寺で「薬屋のひとりごと」の小説原画展が開催されることをリサーチしました。

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アクセスを調べてみると高速道路使わずとも1時間足らずで行くことができると判明、ほな薬師寺行くか…!!ということになりました。

 

ドライブ決行日は昼から雨が降る日を選びました。予定柄そこが空いていたということもありましたが、GWということで混雑が見込まれる中、少しでも人が少ないであろう日を選ぼうとしたのが狙いです。それに昼間から雨ということがわかっていれば朝早くから行かなければ…という焦りを生むことで早起きにも繋がりますからね。

 

当日は8時半過ぎに家を出発、渋滞を恐れ必要よりも少し早く家を出ましたが道中とくに混むことも無く割とすいすい進みました。ただ関西の道は難解であり、2度入るべき道を間違えたことで10分近くロスしてしまいました。外環状抜けるの難しいんよ……

 

というわけで10時前に最初の目的地、薬師寺に到着。薬屋原画展のチケットを10時~10時半で取っていたこともあり、本堂等の見学は後回しにして会場である西僧坊(昔僧侶の皆さんが住んでいたところ)へ向かいます。入り口で絵師、しのとうこ氏のサインを撮ったところで鑑賞スタート。

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原画展、思ったよりその規模は小さめでした。よくよく考えてみると今回のテーマは「小説の挿絵」。1冊の作品にそう何点も挿絵がある訳もありませんから総作品数もたかが知れているわけです。そのため鑑賞時間も20分あれば全ての絵をまじまじと眺めつつ物販までたどり着くことができる…という感じ。1作1作は秀逸ですしその時点では人もあまり多くなかった(時間ごとに入れる客を分けていたのが功を奏した形である)ため、かなり快適に原画展を楽しむことができました。ただこれJR東海とのタイアップ企画(=東京からの観光客を見越している)であり、遠路はるばるやってきた人達にこの量は果たして大丈夫なのか…?と余計なことを考えてしまいました。まあええか僕関係ないし。そもそも壬猫の鉄道員コス絶妙にこれじゃない感があるんだよなあ……。

こういう原画展等に入った際は、自分への土産も物販で何か買うことで作者に貢献しようというのがマイルール。今回は悩んだ末小説アクリルスタンドを購入。

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とてもいい感じです。小説、まだ9巻までしか読めてないのよな…。早く読み進めたいのですが中々まとまった時間が取れないところ。

 

原画展を後にした後は薬師寺観光。薬師寺の名物と言えば左右にそびえる三重塔。

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(写真では三重どころか六重にすら見えますが、屋根が狭い段は割愛するらしい)

両塔には仏教の大元、釈迦の一生を8要素に分けて表した「釈迦八相」と呼ばれる塑像(近年現代の芸術家によってリメイクされた)が安置されており、一周ぐるっと回ることで釈迦、そして仏教の興りを学ぶことができました。これが相当に面白い。中でも私が目をみはったのは、一つ一つの像に「時の流れ」を感じるという点です。

現代において私達は映像を見たり、演劇等を生で鑑賞することなどにより、時の流れを意識しながら芸術を味わうことができます。これは絵画等「一つの場面を切り取った」作品ではなかなか感じることが難しいものです。映像技術のある現代ならともかく、そのようなものがない20世紀以前では(演劇など現在進行形で味わえるものならともかく)芸術に「時」の概念を感じさせることは難しかったのです。そこで古の芸術家たちは一つの作品に複数の事象を盛り込み、作品にストーリー性を持たせました。そうすることによって鑑賞者たちはストーリー流れを追いながら、つまり「時の流れ」を感じながら作品を鑑賞することができるのです。なんとも見事な技です。

 

その後本堂をめぐり(なぜか牛黄が展示されていたのが薬屋タイアップ感が出ててよかった)、最後に東僧坊(もはや休憩スペースと化している)で売店を物色して観光終了。寺社仏閣鑑賞、想定の数倍楽しかったです。奈良薬師寺上代の建築(≒私の専門である平安古典文学に出てこない寺社)であるため、私の興味をそそるものはあまりないのではないか、と勝手に考えておりましたがそんなことはありませんでした。むしろあまり知見のない分野ということで、まだみぬ発見が多くとても満足できました。正直味を占めたため、今後も暇あれば寺回りしようかな…なんて思っています。

 

(本当は薬師寺の後に近くにある唐招提寺も見学したのですが、歴史の教科書に掲載されていることでおなじみ鑑真像のレプリカ以外面白味がなかったので割愛します。私の本名の元ネタとされる画家、東山魁夷が描いた襖絵が一般公開されてなかったのが痛かった)

 

というわけで今回はここまで、また車でどっかに行った際は、そのログを書いていく予定です(なお車は自損事故により絶賛修理中な模様、これもひと段落ついたらレポを残しておきたい)。

 

 

おまけ

お昼ご飯は車を南に走らせ15分、大和郡山市の「花一番」という地元野菜をふんだんに使ったお店に行きました。いただいたのは揚げ野菜と唐揚げをポン酢で味付けしたもの。

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すさまじく旨い料理をお手頃価格で味わうことができたのでたいへん満足しています。皆さんも奈良観光の際はぜひどうぞ。(なお車がないとまあまあアクセスがしんどい模様)